増えている理由は
一人暮らしの高齢者が増えている
時代と共に社会構造は変化しています。家族の形も変わり、一昔前までは三世代が同居する大家族が当たり前でしたが、今は核家族化が進み、親子のみ、夫婦のみ、一人暮らし、といった形が増えています。高齢者の価値観も変わり、「子どもたちを頼らずに自立した生活を送りたい」「慣れ親しんだ土地から離れたくない」と一人暮らしを選択する人も少なくありません。その一方で、「頼りたくても家族を頼れない」「すでに家族が他界している」などの理由でやむを得ず一人暮らしをしている人もいます。
なぜ増加しているのか
日本は男女共に平均寿命が長く、長寿国といわれています。平均寿命は今後も延び続け、2040年には男性は82歳、女性は89歳まで延びると予想されています。そうなると、65歳以上の高齢者の割合が増加するのは自然なことです。今以上に一人暮らしの高齢者が多くなることでしょう。
また、少子高齢化の影響も大いに関係しています。複数ある家族構成の中で高齢者のみの世帯は約58.2%と全体の半数を占めています。反対に、三世代同居の世帯数は年々減少しており、その数は10年前に比べると約半分になっています。
未婚の男女が増え続けている
生涯未婚率の割合が増加し、未婚の男女が増え続けていることも原因のひとつです。結婚適齢期にある人の中で結婚している人は50%弱、というデータもあることから、二人に一人は結婚していない人や離婚した後も再婚していない人であると考えられます。配偶者を持たないまま高齢になり、そのまま一人暮らしを続ける人も多いため、高齢者の一人暮らしの割合が増えているのです。
さらに、生涯未婚率の割合が増加によって「パラサイト・シングルの高齢化」という新たな問題も浮上しています。学校を卒業した後も親と同居し、基礎的な生活を親に依存している未婚者は、同居する親がなくなった後に社会的に孤立する可能性が高くなります。孤独な一人暮らしが孤独死を招きかねないと問題になっているのです。
増える孤独死
家族構成が変化し一人暮らしの高齢者が増えている今、「高齢者の孤独死」も増加傾向にあります。特に人間関係が希薄だといわれている都心部に多く、東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における孤独死は10年で2倍に増えていることがわかりました。一人暮らしの高齢者が増加したことによって孤独死の数も増えているのです。
この状態で現在40代・50代のパラサイト・シングルの人々が70代や80代を迎えるとどうなるでしょうか。今以上に孤独死する高齢者が増えることが予想できます。
頼れる存在になろう
高齢者をサポートする仕事
高齢者をサポートする取り組みはいろいろありますが、実際に従事しているのはヘルパーなどの介護士です。高齢者の増加に伴い、介護士の数も不足しているため求人も多く、未経験でもできるとあって、介護士として高齢者を支えることを選ぶ人も少なくありません。介護経験がない人も手厚くサポートしてくれる転職エージェントを利用すると、未経験者向けの求人もすぐにみつかります。