本人の意思も大切に
サポートを拒む高齢者もいる
一人暮らしの高齢者が安全かつ快適な生活を送るためにさまざまな支援が行われています。ですが、中にはサポートを嫌がる人もいます。特に男性に多いのですが、それは、男性は人に頼るのを苦手としている人が多いからです。日常生活に困難を感じていても、できる限り自分で対処しようとします。そういった人たちは「自分の生活ペースを守りたい」「自立していたい」という気持ちを持っているため、あえて、一人暮らしを選んでいる人ばかりです。「自分一人でできる」というプライドが支えになり、一人暮らしを継続させているため、支援を拒否しているのです。
そのため、支援に消極的な高齢者をサポートするときはそういった思いに配慮しながら行う必要があります。
アプローチの仕方を工夫する
「一人で大丈夫」と口では話していますが、不安が全くないわけではありません。どこか不安を感じていてもプライドが先行してしまい、それを口に出して話せないだけです。介護士としては、そういった相手のプライドを尊重しながら不安を軽減できるように接していかなければなりません。
「サポートします」という態度を前面に出してしまうとプライドを刺激してしまうため、態度が硬化する可能性があります。まずは良い関係を築くことを目標に接していきましょう。相手の得意な分野で力を貸してもらうのもおすすめです。大工仕事が得意な人なら植木の剪定をお願いしたり、現役時代にパソコンで仕事をしていた人には調べ物をお願いしたり、などスキルを活かした役割を担ってもらいましょう。「助けてもらったので私も役に立ちたい」と伝えると支援してもらうことに抵抗がある人も、スムーズに受け入れてくれるようになります。
個々のスタイルに合わせる
それぞれのライフスタイルに合わせてサポートすることも大切です。買い物ひとつとっても、体力作りを兼ねて自分で歩いていきたい人もいれば、億劫に感じてヘルパーに頼む人もいます。自分で買い物に行ける人は直接みて選べるので、自分の好きなものを買うことができますが、後者の場合は買い物の幅が狭まってしまうので不満も出てきます。そういった不満を解消するために、ネットショッピングを利用する人が増えてきましたが、すべての人がIT機器を使いこなせるわけではありません。ネットショッピングを利用したくてもできない人もいるのです。だからといって、ヘルパーが高齢者の代わりに注文してしまうとプライドを傷つけてしまい、関係にヒビが入ってしまいます。安易に解決するのではなく高齢者のライフスタイルをみつめながらじっくりと考えて接しなければなりません。
頼れる存在になろう
高齢者をサポートする仕事
高齢者をサポートする取り組みはいろいろありますが、実際に従事しているのはヘルパーなどの介護士です。高齢者の増加に伴い、介護士の数も不足しているため求人も多く、未経験でもできるとあって、介護士として高齢者を支えることを選ぶ人も少なくありません。介護経験がない人も手厚くサポートしてくれる転職エージェントを利用すると、未経験者向けの求人もすぐにみつかります。