地域で行う見守り事例
高齢者の一人暮らしを支える取り組み
一人で暮らす高齢者が年々増えています。元気に快適に過ごしている人も多いのですが、健康の不安や孤独を感じながら暮らしている人もいます。一人暮らしの高齢者が安心して暮らすためには、周囲のサポートが必要です。多くの自治体では介護保険によるサービス以外の支援事業にも取り組んでいます。
高齢者が安全に生活するために自治体が最も重要だと位置づけているのが「安否確認」です。全国のほとんどの自治体では見守りを中心とした安否確認のサービスを行っています。自治体によって内容は異なりますが、電話での安否確認や委託業者による見守り、緊急通報装置の設置などを行っているところが多いようです。IT技術も積極的に取り入れるなど各自治体で工夫しながらサービスを提供しています。
また、一人暮らしの高齢者の問題点である「食事」に対する支援もあります。委託業者が直接高齢者の元を訪問してお弁当やお惣菜を届ける、食事の宅配サービスは安否確認にもなるとして多くの自治体で活用されています。
高齢になると身体的な機能が衰えてくるため、転倒によるケガも多くなります。転倒事故を早期発見・防止するためにも見守りが欠かせません。万が一の時にすぐに駆けつけられるように緊急通報システムを設置したり、バリアフリーリフォーム工事の補助金を支援したりしています。
北海道亀田郡七飯町の取り組み
自治体によるサポートの実例をみていきましょう。北海道亀田郡七飯町では、行政と地域が一体となって一人暮らしの高齢者を見守るコミュニティを作っています。「独居老人等見守り支援事業」と呼ばれているこの取り組みは、高齢者の自宅にIT技術を組み込んだ見守りシステム「いまイルモ」を設置し、高齢者の行動や状況を見守っています。モニタリングしたデータを家族や近隣住民、自治体の職員で共有していますが、普段の生活をデータにしてグラフ化できるので、生活習慣の見直しや病気予防にも役立っているそうです。
岐阜県飛騨市の取り組み
高齢者の安否確認と地域との交流を図る取り組みとして、岐阜県飛騨市が行っているのが、週に2回、往復はがきを配信する「元気確認ポストカード事業」です。平成16年から実施されているこの事業は、75歳以上の高齢者が対象で、郵便局員から直接高齢者本人にはがきを手渡すことで安否を確認するというものです。絵手紙サークルや地元の高校に協力してもらい、はがきの片面に作品をつけて絵手紙として配信しています。絵だけでなく最近の話題を盛り込んだ文章をつけるなどして、高齢者に考えてもらえるような工夫をしているのが特徴です。
頼れる存在になろう
高齢者をサポートする仕事
高齢者をサポートする取り組みはいろいろありますが、実際に従事しているのはヘルパーなどの介護士です。高齢者の増加に伴い、介護士の数も不足しているため求人も多く、未経験でもできるとあって、介護士として高齢者を支えることを選ぶ人も少なくありません。介護経験がない人も手厚くサポートしてくれる転職エージェントを利用すると、未経験者向けの求人もすぐにみつかります。